臨床開発モニター(CRA)とは?
臨床開発モニター(CRA)は、Clinical Research Associateの略で、治験が適切に行われているかモニタリング(監視)することが主な仕事です。新しい医療をできるだけ早く患者さんに届けるために、製薬企業や、医療機関等のスタッフとコミュニケーションを取りながら、プロジェクトの状況を把握し、円滑に進める役割があります。
この記事では、臨床開発モニター(CRA)の仕事内容や必要なスキルなどを解説します。
■関連資料
→治験・臨床研究支援なら|シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社
目次[非表示]
- 1.臨床開発モニター(CRA)の仕事内容
- 2.CRAに必要なスキル
- 3.仕事のやりがい
- 4.まとめ
臨床開発モニター(CRA)の仕事内容
臨床開発モニター(CRA)は、新しい医薬品・医療機器などを開発するプロセスである治験が、各種法規制・省令(GCP等)ならびに治験計画書(プロトコール)に則って適切に行われているかをモニタリングする仕事です。
製薬企業などが医師に依頼をして実施される「企業治験」の場合、具体的に、以下のような流れで業務を行います。
治験開始前
医師や医療機関の調査・選定する
医療機関での治験実施の可否を審査するための手続きを行う
治験を実施する医療機関との契約を締結する
治験責任医師等を含む治験実施スタッフへ、治験実施に際して必要なトレーニングを実施する
治験実施に際して必要な資材(治験薬・検査キット・検査機材等)が揃っているか確認する
治験実施中
- 被験者のエントリー状況について治験責任医師や治験分担医師と打合せを行う
- モニタリング
- 同意取得状況の確認
- 治験が各種法規制・省令・治験実施計画書等を遵守して実施されているか確認
- 診療録(カルテ)や全ての関連記録(原資料・原データ)が適切に作成され、保管されているか確認
- 重篤な有害事象等が全て適切に報告されているか確認
- 治験薬、検査キット等の保管状況が適切か・在庫量・管理記録が適切に作成されているかを確認
- 治験実施医療機関・IRB(治験審査委員会)・責任医師等が保管すべき資料が全て保管されているか確認
- 症例報告書(CRFまたはEDC)の記載内容が正確か、作成手順が正しいかを確認
- 治験に関する最新の情報が責任医師にタイムリーに提供されているか確認
*いずれかが不適切であれば、速やかに是正するための対策を責任医師等と協議
- 担当する治験実施施設について治験届出事項に変更がないか確認
- 治験に関連する事務手続き(新たな安全性情報等のIRB審議他)ならびに手続き進捗の確認
治験終了時
- 症例報告書(CRFまたはEDC)データへのクエリ対応・終了手続き
※上記は企業治験の一例です
CRAに必要なスキル
CRAとして働くためには、以下のようなスキルが求められます。
- 医学や薬学の知識
治験は、新しい医薬品・医療機器などを開発するプロセスですが、治験実施計画書(プロトコール)などの理解には、既存の医学や薬学の知識も不可欠です。製薬企業などの担当者のほかに、医師や医療機関スタッフなど、医学・薬学の専門職と話す機会も多いため、担当する治験に関連する疾患や薬剤の知識や、積極的に学ぶ姿勢が必要です。 - コミュニケーション能力
CRAは、製薬企業の担当者、治験責任医師・分担医師、看護師や薬剤師などの医療機関スタッフ、治験コーディネーター(CRC)など、さまざまな関係者とコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進める必要があります。それぞれの立場に合わせたコミュニケーションを行うスキルが必要です。 - スケジュールなどの調整スキル
- PCでの書類作成などの事務処理スキル
- 英語などの外国語スキル(グローバル治験の場合など)
これらのスキルは、CRAになるために必要な要素というだけでなく、CRAとして働くことによって得られるスキルでもあります。担当するプロジェクトによって、治験を実施する地域や、対象となる疾患、薬剤などが異なるため、関連する知識やスキルも異なります。
仕事のやりがい
CRAは、新しい医薬品・医療機器などを開発するプロセスである治験が、各種法規制・省令(GCP等)ならびに治験計画書(プロトコール)に則って適切に行われているかをモニタリングする仕事です。
担当するプロジェクトによって仕事内容も変わるため、仕事のやりがいも人それぞれですが、以下のような例があげられます。
- 新しい医療をできるだけ早く患者さんに届けることで、患者さんの健康に貢献できる
- 最新の医学・薬学的知識を学べる
- 製薬企業、医療機関スタッフ、治験コーディネーター(CRC)など、多くの人とコミュニケーションをとりながら仕事ができる
まとめ
臨床開発モニター(CRA)は、新しい医薬品・医療機器などを開発するプロセスである治験が、各種法規制・省令(GCP等)ならびに治験計画書(プロトコール)に則って適切に行われているかをモニタリングする仕事です。
担当するプロジェクトに応じて、治験実施前~実施中、終了手続きまで、製薬企業や、医療機関等のスタッフとコミュニケーションを取りながら、プロジェクトの状況を把握し、円滑に進める役割があります。
各種知識やコミュニケーション能力など、多くのスキルが求められることもありますが、新しい医療を患者さんに届けるために重要な役割を担っており、やりがいも大きい仕事です。
シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社(CHI) は、SMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)として、全国4,000以上の医療機関と提携し、20年以上にわたり各医療機関を支援してまいりました。
これまでの知見・経験を活かし、治験・臨床研究の実施から事務的業務、IRB(治験審査委員会)事務局業務まで、医療機関における治験実施をフルサポートいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。
■関連資料
→SSIカンパニー・SMO事業|シミックヘルスケア・インスティテュート(CHI)