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治験実施計画書とGCP|GCPレター第9号

■この記事は、2015年2月27日に発行されたGCPレターを転記したものです。

■GCPレターとは:臨床試験全体の質の向上とGCPの啓発活動の一環として、当社提携医療機関向けのGCP関連などのレターを2021年3月まで発行いたしました。

  GCPレター|シミックヘルスケア・インスティテュート(CHI) 臨床試験全体の質の向上とGCPの啓発活動の一環として、当社提携医療機関向けのGCP関連などのレターを2021年3月まで発行いたしました。 シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社(CHI)

■参考資料
GCPレター第9号(2015年2月27日発行)治験実施計画書とGCP

目次[非表示]

  1. 1.治験実施計画書の遵守

治験実施計画書の遵守

治験実施計画書は、GCPの目的である「被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図り、治験の科学的な質及び成績の信頼性を確保する」ことができるよう治験依頼者が当該治験の実施に関する必要な事項を定めた文書です。

治験責任医師は最新の治験薬概要書などから治験薬について理解した上で、治験を実施することの倫理的及び科学的妥当性について十分に検討し、治験依頼者と治験実施計画書の内容及びそれを遵守することについて合意する必要があります。

もちろん合意した治験実施計画書は治験審査委員会の承認を得る必要があります。

それでは治験実施計画書に記載される事項を確認してみましょう。

【治験実施計画書に記載されるべき事項(GCP省令 第7条 第1項)】


  1. 治験の依頼をしようとする者の氏名及び住所
  2. 治験に係る業務の全部または一部を委託する場合にあっては、当該業務を受託した者の氏名、住所及び当該委託に係る業務の範囲
  3. 実施医療機関の名称及び所在地
  4. 治験責任医師となるべき者の氏名及び職名
  5. 治験の目的
  6. 被験薬の概要
  7. 治験の方法
  8. 被験者の選定に関する事項
  9. 原資料の閲覧に関する事項
  10. 記録(データを含む。)の保存に関する事項
  11. 治験調整医師の氏名及び職名(GCP第18条の規定により委嘱した場合)
  12. 治験調整委員会を構成する医師又は歯科医師の氏名及び職名(GCP第18条の規定により委嘱した場合)
  13. 効果安全性評価委員を設置した旨(GCP第19条の規定により設置したとき)

これらの内容に加え、GCPガイダンスにおいて、治験実施計画書の作成日・改訂日及び版表示又は最新版の作成日及び版表示の記載が求められています。

また、治験実施計画書に通常記載すべき具体的事項については、中央薬事審議会答申(※)(平成9年3月13日中薬審第40号)の10を適宜参照する必要があります。

※:公益財団法人日本医師会治験促進センターホームページよりご確認いただけます。
http://www.jmacct.med.or.jp/plan/files/gcp_970313.pdf


治験実施計画書からの逸脱

治験を実施するに当たって治験実施計画書を遵守しなければならないのですが、様々な原因で治験実施計画書から逸脱してしまうことがあります。以下に、治験実施計画書から逸脱した具体例を示します。

  • 臨床所見スコアが中止基準に達しているにもかかわらず、試験が継続されていた。
  • 主要評価を実施するためのCT撮影が規定された撮影条件(スライス厚等)で実施されていなかった。
  • 臨床検査検体の中央測定機関への提出が遅れ欠測となった。

これらは実施医療機関を調査対象としたGCP実地調査(※)において確認された実例です。GCP実地調査の結果はPMDAが集計しており、PMDA主催の研修会で発表されています。

※実施医療機関を調査対象としたGCP実地調査
当該試験が、GCP並びに治験実施計画書に従って実施されたことを検証するために、厚生労働大臣の委託を受けたPMDAの担当職員が実施医療機関に対して行う実地の調査

ここで、平成25年度 GCP研修会の資料から抜粋した内容を紹介します。なおGCP研修会の資料は、PMDAのホームページで毎年更新されています。

http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/outline/shinrai/kensyukai.html

実施医療機関への改善すべき事項の内訳(個別症例)
(平成24年度 新医薬品に係る国内調査、新GCP適用治験のみ)
GCP実地調査実施医療機関数189施設のうち、改善すべき事項を通知した医療機関数は52施設

個別症例に対する改善すべき事項のうち、半分以上が治験実施計画書からの逸脱で占められています。

治験実施計画書からの逸脱は、被験者の人権を脅かし、収集されたデータの質に影響する可能性があります。逸脱を発生させないことが重要ですが、逸脱が発生した場合は速やかに対応し、また理由のいかんによらず全て記録する必要があります。

逸脱が発生した時の対応 ※GCP研修会の資料より

  • 被験者の安全性を確保すること。(治験の中止、追跡調査等、必要な措置を確認する。)
  • 他の症例において、同様の逸脱はないかを確認する。
  • 逸脱の原因を確認し、当該治験及び今後の治験実施における再発防止に取り組む。

治験を実施している中で思いもよらない逸脱が発生することがありますので、十分に治験実施計画書を理解し、治験を実施することが重要です。


シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社(CHI) は、SMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)として、全国4,000以上の医療機関と提携し、20年以上にわたり各医療機関を支援してまいりました。

これまでの知見・経験を活かし、治験・臨床研究の実施から事務的業務、IRB(治験審査委員会)事務局業務まで、医療機関における治験実施をフルサポートいたします。

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