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PHR(Personal Health Record)とは|医療・ヘルスケア情報を一元管理

PHRは、「Personal Health Record(パーソナル・ヘルス・レコード)」の略で、患者さんの健康・医療・介護に関する情報を収集し、一元的に保存したデータのことです。生涯型電子カルテと呼ばれることもあります。

医療・ヘルスケア領域におけるICTの導入や、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で注目が高まっている概念です。

この記事では、PHRついて説明します。

目次[非表示]

  1. 1.PHR(Personal Health Record)とは
  2. 2.PHR活用のメリット
    1. 2.1.データの一元管理
    2. 2.2.医療機関スタッフとの情報連携
    3. 2.3.疾患の予防、アドヒアランス向上
    4. 2.4.医療の進歩に活用
  3. 3.PHRの課題
    1. 3.1.個人情報保護、セキュリティ
    2. 3.2.医療格差
    3. 3.3.フォーマットの統一
    4. 3.4.緊急時や通信障害
  4. 4.まとめ

PHR(Personal Health Record)とは

PHRは、「Personal Health Record」の略で、患者さんの健康・医療・介護に関する情報を収集し、一元的に保存したデータのことです。生涯型電子カルテと呼ばれることもあります。

PHRには、脈拍、血圧、体温などのバイタルデータや、健診・検診結果などのほか、診療・処方履歴やアレルギー情報、ワクチン接種の状況など、幅広いデータが含まれます。

これらの医療・ヘルスケア関連の情報を一元管理することで、患者さんは、自身の健康情報を簡単に確認することができます。また、患者さんが、PHRの情報を医療機関に提供することで、医療の質の向上や、医療機関スタッフの業務効率化に繋がると言われ、注目が高まっています。



PHR活用のメリット

データの一元管理

PHRでは、脈拍、血圧、体温などのバイタルデータや、健診・検診結果などのほか、診療・処方履歴やアレルギー情報、ワクチン接種の状況など、幅広いデータを一箇所で管理することができます。

従来、医療・ヘルスケア関連の情報は、医療機関が管理するカルテ、母子健康手帳、健康診断結果、お薬手帳など、それぞれに個別の情報が記録されており、患者さんが自身の情報を簡単に確認することが難しい状況でした。

PHRの導入により、健康に関わる情報を一元的にまとめ、患者さんが生涯にわたって時系列的に情報を管理・活用できるようになります。

医療機関スタッフとの情報連携

PHRを導入することで、患者さんが医療機関を転院したり、緊急時に救急外来を訪れた場合などに、医師や医療機関スタッフが患者さんの総合的なデータが確認できます。

患者さんの既往歴や薬歴、アレルギー情報、直近の健診結果などが把握でき、初診の際に活用できるなど、これまでの診療情報を踏まえた診察・治療が可能になることで、医療機関スタッフの業務効率化にもつながります。

患者さんにとっては、緊急時などに初めて受診する医療機関でも迅速に適切な処置が受けられるなどのメリットがあります。

疾患の予防、アドヒアランス向上

PHRには、医療・ヘルスケアに関するさまざまな情報が含まれます。これまでの診療記録や検査結果、処方の記録などを総合的に見て、患者さん個人の健康状態に合わせた疾患予防プログラムを提供することが可能です。

薬剤や疾患によっては、製薬企業が自社の製品を使用している患者さんに対して「患者サポートプログラム(PSP)」などのサービスを提供して、定期的な通院や治療継続を促すことがあります。PSPを実施する際にも、患者さんの同意を得てPHRを活用することで、患者さんのスマートフォンアプリや、ウェアラブルデバイスなどから得られたデータをもとに、一人ひとりに合わせた情報提供ができるなどのメリットがあります。

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医療の進歩に活用

PHRの普及により、患者さんが自身のスマートフォンアプリやウェアラブルデバイスなどを通して、日々の情報を記録していくことで、1箇所に情報が蓄積されていきます。これらのデータを活用することで、今後の医療の進歩や新しい治療法の開発などに役立てられる可能性があります。


PHRの課題

個人情報保護、セキュリティ

PHRは、基本的に患者さんが個人で管理するため、情報の取り扱いには注意が必要です。さまざまな医療・ヘルスケア関連の情報を一箇所にまとめることで得られるメリットがある一方で、万が一、情報漏えいが起きてしまった際のリスクも高まります。

医療・ヘルスケア関連の情報は、個人情報のなかでも非常にデリケートなため、医療機関のシステム整備や、医師・医療機関スタッフのITスキル向上、運用方法の確立などが必要です。

医療格差

PHRの活用は、患者さんがスマートフォンなどのデジタル機器を適切に利用できることが前提です。スマートフォンをお持ちでない方や、操作に慣れていない方などが、PHRに情報を入力することは難しいため、活用できる方とできない方の間に医療格差が生じる可能性があります。


フォーマットの統一

患者さんや医療機関によって、使用するPHRシステムのフォーマットが異なると、情報連携がスムーズにできない可能性があります。たとえば、近年、医療機関で普及している電子カルテ(EMR)は、各医療機関によってシステムが異なっていたり、入力項目や情報の内容に差があったりすると、情報連携を行う上でひとつのハードルになります。

PHRによって情報を一元化させるには、基本となる情報の「フォーマット化」が必要です。

緊急時や通信障害

PHRは、インターネット環境を前提としているため、大きな地震などの有事の際に通信障害が発生すると、情報にアクセスできなくなります。有事の場合以外にも、システムの不具合等で一時的に通信障害が起きた際に、PHRで管理している情報を活用できない可能性があります。


まとめ

PHRは、「Personal Health Record」の略で、患者さんの健康・医療・介護に関する情報を収集し、一元的に保存したデータのことです。脈拍、血圧、体温などのバイタルデータや、健診・検診結果などのほか、診療・処方履歴やアレルギー情報、ワクチン接種の状況など、幅広いデータが含まれます。

PHRで医療・ヘルスケア関連のデータを一元管理することで、患者さんが自身の健康情報を簡単に確認できるだけではなく、医療の質の向上や、医療機関スタッフの業務効率化など、多くのメリットが期待されています。

一方で、医療・ヘルスケアに関する情報は慎重に扱う必要があるため、個人情報保護やセキュリティの観点での対策や、IT・システムの整備などの課題を解決し、普及を進めていく必要があります。


シミックヘルスケア・インスティテュート(CHI)は、SMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)のパイオニアとして、
医療機関における治験の実施・運営を20年以上トータルサポートしてまいりました。

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さらに「くすりの一生からひとの一生まで」をコンセプトに、新しいサービスモデルを創出し、
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